制度の概要

背景

 東京は世界有数の大都市として旺盛な都市活動を繰り広げ、そのもとで私たちは便利で豊かな生活を享受してきました。しかし、反面、環境の危機も集約的に現れてきています。大気汚染やヒートアイランド現象の進行、廃棄物の増加、緑の減少など、極めて深刻な状態にあります。
 このため、東京都は、平成12年12月の環境確保条例の制定により、建築物に係る環境配慮制度(以下、建築物環境計画書制度)を創設し、平成14年6月より施行しました。また、平成17年10月1日からはヒートアイランド対策を評価項目に追加しました。

 しかし、顕在化してきた異常気象の頻発、食料生産の困難、飲料水の枯渇といった地球規模での気候危機をもたらすのがCO2をはじめとした温暖化ガスであることがほとんど明らかになってきたことから、東京都は2007年(平成19年)6月に東京都気候変動対策方針をまとめ、温暖化ガスの劇的な削減を可能とする21世紀の新しい都市モデルを、東京において、いち早く実現していくこととしました。
 建築物環境計画書制度は気候変動対策の一環として、より高い省エネルギー性能を有する建築物が市場で高い評価を受けることで普及拡大していくように、本制度をより一層強化し、2010年(平成22年)1月から施行しました。

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目的

 制度のねらいは、建築物における環境配慮の全体像を明らかにすること、優れた環境配慮の取組を行った場合にはそのレベルを評価することなどにより、環境に配慮した質の高い建築物が評価される市場の形成と、新たな環境技術の開発を促進していこうとするところにあります。また、従来型の規制的な手法ではなく、建築主自身が環境 配慮の取組を指針に基づいて評価すること、都が建築物環境計画書等を広く社会に公表することなどにより、建築主の自主的な取組を促そうとする点が特徴となっています。

 また、2010年(平成22年)1月からの制度強化で、再生可能エネルギー利用設備の導入検討が行われることにより、これまで導入事例の少なかったビルの排熱、河川熱等の利用可能(未利用)エネルギーの利用検討が進むことも期待されています。

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対象建築物

提出義務
延床面積5,000m2を超える新築・増築を行う建築物
任意提出
延床2,000m2以上の新築・増築を行う建築物(2010年(平成22年)10月から)
 
提出義務と任意提出の説明

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主なポイント

 守るべき基準を設定し、建築主にそれらに従っていただくという従来の条例の規制の考え方から一歩進んで、建築主が自主的に取り入れた環境配慮の設計内容を、建 築物総体として建築物環境計画書に記載していただき、それらの概要を公表していくこと に主眼を置いています。
特色として以下の点が上げられます。

1 建築物における幅広い環境分野を対象とした制度
2 建築主自身が環境配慮の取組を配慮指針に基づいて評価する制度
3 計画書を都が公表することにより、建築物の環境配慮の状況を広く明らかにする制度
4 積極的な環境配慮の取組を行った場合、そのレベルが明示される制度
5 計画時の「建築物環境計画書」だけでなく工事完了時においても、実際にどのように建築物の環境への配慮のための取組が行われたかを明確にすることを求めた制度
6 従来型の規制的な手法ではなく、誘導的な手法により建築主の自主的な取組を促す制度

また、2010年(平成22年)以降の制度強化項目は次の通りとなります。

1 建築物環境計画書制度の対象拡大【2010年10月より実施】
  • ・現行延床面積1万㎡超から5千㎡超へ引き下げ
  • ・延床面積2千㎡以上5千㎡以下は任意提出が可能
2 マンション環境性能表示義務の対象拡大
  • ・分譲マンションに加え、賃貸マンションにも表示義務
3 再生可能エネルギー利用設備の導入検討義務
  • ・太陽エネルギー、地中熱、バイオマス等が対象
  • ・太陽エネルギーについては、導入検討内容について提出を義務
4 省エネルギー性能評価書制度の新設
  • ・賃貸等の取引時に建築主が省エネルギー性能評価書を交付
  • ・PAL*とERRを各々5段階で表示、採用した省エネ設備も表示
  • ・延床面積1万㎡超が対象。ただし、住宅、倉庫、工場、駐車場等の用途は対象外
5 省エネルギー性能基準の設定と義務化

・次の両方の基準に適合するよう措置を講ずること(延床面積1万㎡超の特別大規模特定建築物(非住宅)が対象)

  • ①PAL*の低減率が、住宅、工場等を除く用途のいずれかの延べ面積が2000㎡以上である場合、非住宅用途の部分全体で0以上であること。
  • ②ERRが、住宅を除く用途のいずれかの延べ面積が2000㎡以上である場合、建物全体で0以上であること。
6 省エネルギー性能目標値の確保
  • ・特定開発事業においては、エネルギー有効利用計画で設定した性能目標値以上を確保するよう措置を講ずる

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評価項目、段階評価

評価項目

環境配慮項目 区分
エネルギーの使用合理化 建築物の熱負荷の低減
再生可能エネルギー利用
省エネルギーシステム
効率的な運用のしくみ
資源の適正利用 エコマテリアル
オゾン層保護及び地球温暖化の抑制
長寿命化等
自然環境の保全 水循環
緑化
ヒートアイランド現象の緩和 建築設備からの人工排熱対策
敷地と建築物の被覆対策
風環境への配慮

段階評価

段階1
  • 省エネ法等の法令が求める水準を上回る取組であること
  • 法令が求める水準がないものは、環境配慮が一般的な取組の水準にあること
段階2
  • 段階1より高い水準の取組であること
段階3
  • 最も優れた取組であること

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手続きの流れ

 ☆建築物環境計画書の提出時期  確認申請又は計画通知の30日前まで

 ☆提出書類  様式類ダウンロードをご参照ください。

手続きの流れの説明

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根拠条例等

  • ■ 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例・規則
    (条例 第三節 建築物に係る環境配慮の措置 第十八条 ~ 第二十五条、規則 第九条 ~ 第十三条の五)
  • ■ 建築物環境配慮指針(平成14年3月28日 東京都告示第384号 平成21年9月29日改正)

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≪問合せ先≫
■建築物環境計画書の作成・提出、その他各種届出に関すること
「東京都建築物環境計画書制度」ヘルプデスク
〒163-8001 新宿区西新宿2-8-1 都庁第二本庁舎20階
TEL:03-5320-7879 メールアドレス building(at)kankyo.metro.tokyo.jp
※迷惑メール対策のため、メールアドレスの表記を変更しております。
  お手数ですが、(at)を@に置き換えてご利用ください。

 

■制度全般に関すること
東京都 環境局 気候変動対策部 環境都市づくり課
TEL:03-5320-7937